今回は、タイヤ音に関する講座でございます。
YouTube動画とは一味違うブログ版になるといいなあと思いながら書いています。まず最初にお伝えすることになるのは当然タイヤの音って何ですか?ということですね。私自身も、OEM向けタイヤ開発に関わることになった一番最初、ハンドリングくらいしかタイヤは車体性能に関係ないかと思っていたので、タイヤと音がどうつながるのか不思議に思いましたし、留学先の知人(社会学専攻)に「そんな科学があるの?」とも言われたり。。。
さて、これはタイヤ音の簡単分類表になります。
まず、大きく車内音か車外音かに分かれます。
車外音は、交通騒音という視点ですので、国といった行政機関が規制値というのを現在設けていて、その目標を達成し環境騒音を改善するという視点になるので、「規制値をクリアする」が開発方向になります。
車外音は、車体開発と一体になる部分ですので、新車を自動車メーカーが開発するにあたり、タイヤメーカーと共にその自動車の商品性にある音に仕上げる、と言いますか、「不快な音を、変に目立ってしまう音を消す」という開発指針になりますので、車内音と車外音で要求されている動機が異なります。
タイヤの音の発生する原因は、タイヤ自身が回転し、その接する路面との干渉が原因となります。今回はメカニズムの詳細は割愛しますが、荒れた路面を走行するか、スムースな路面を走行するか、とざっくりふたつに分けます。規制値がある車外音の場合は、ISO路面という国際基準の路面があるのですが、ISO路面同士でも音圧差異が生まれてしまうので、路面は固有の世界、競馬の東京競馬場は馬場が違う(パンパンの良馬場、英国エプソム競馬はダートみたいですよね)と個人的には同じ世界かなーとか思っています。
今回は、ロードノイズ、粗面路走行時のタイヤ音ということで
大きく二つの音の世界が関係します。タイヤ振動が起因している
ロードノイズ、タイヤ内の空洞による共鳴音であるタイヤ気柱共鳴。
タイヤの振動ですが、路面が荒れていますので、タイヤが振動する
わけです、その振動が車体サスペンションを通じて、最終的には
車内のパネルの振動を起き、音になる。ロードノイズ。
次にタイヤ気柱共鳴音。最初これを知った時、
タイヤ丸い、なんで気「柱」?
(「ブックオフなのに本ねーじゃん!」と突然無駄にシャウトする、私)。。。。(なんかタイヤ4本あるみたーーい)
ええと、これは、管楽器みたいに柱がある場合の、空気の振動による共鳴音から話が始まっているので、空気の空洞で発生する音は、全部気柱共鳴音と呼ばれるようですね。(スピンオフ企画:他に柱じゃない気柱共鳴音を探せ!見つけられた方は弊社HP連絡先から投稿して下さい。ブログで紹介するかも)
いずれにしましても、管楽器に空気を吹いてのように圧力変動を加えると振動が起き発生する音ですので、粗面路でも平滑路の少しの凹凸でも発生する気柱共鳴音です。
今回最初から続いている分類の話ですが、固体伝播か空気伝播かという分類もあります。音は空気を媒体としますので、車体を「透過」して伝わり車内へ伝播する空気伝播音。何かしらの振動が車体を「振動」を通して車内へ伝播する固体伝播音。今回のロードノイズは振動を車体に伝えるという形ですので、固体伝播音。パターンノイズのようにタイヤブロックの振動や溝による音などの伝播は、車外の空気を通じ、車体へ「透過」する空気伝播音。周波数帯域も大きく分かれます。
私は、英国サウザンプトン大学に留学したことがあるわけですが、
たまに一週間くらいのコースも開催されており、その参加前のアンケートで、
現在あなたが仕事で従事している音の領域は
高周波(high frequency)、低周波(low frequency)
固体伝播(structure-borne)、空気伝播(air-borne)
とチェックリストがありました。解析方法も、専門家の先生も分類
される固体伝播と空気伝播。SNSで拡散伝播は、何-borne?
その2)に続く。