“Noise design”INDY 2000GV

今回の音作り、このような自動車のサウンドデザインを行おうと思った動機はそもそも自動車がどんどん多様化していく時代になるのではないか?
電気自動車や近年のカーデザインを見ていると近未来的なデザインが増えているように思ったことがあり、それに対してサウンドデザインをどうするか?幅を広げないと行けないのではないか?と考えたと次第です。

以前に発表した内容のもので、本田技術研究所様のPUYOというコンセプトカーがありました。そのサウンドデザインでは、かわいいという方向性、つまりスポーツ感や高級感といったものとは異なる方向性のサウンドを提供したわけです。
その逆のものとして、かわいいの逆は何かを考えたのが、このコンセプトサウンドデザイン、INDY2000GVになります。アメリカンテイストなワイルドでノイズのデザインをする、そのようなサウンドを作成すれば、自動車の音作りの世界が広がるのではないか?と考えた次第です。

どのように考えたか?ノイズデザインの根幹の方法として三つ考えました。ディストーション、不協和音、不規則性、の三つです。
ディストーションはギターアンプで用いられている手法で波形を歪ませることで特徴のある倍音にする手法です。

次に不協和音。これは立場の違いで言い方が異なっている世界に思います。エンジン音を担当されていると、ハーフ次数成分によるランブル感といい、心理音響研究者は、ラフネスといい、音楽関係の方は不協和音と言っていると思います。どの場合も、複数のトーンの周波数の距離によって発生するノイズ感になります。

これらの考えをもとに、シートベルトの音、ウィンカーの音、ドア閉め音、そしてエンジン音を作成しました。
特に、ドア閉め音ですが、以前から私が思っていたのですが、ドアの音が鳴る前にドア閉め音が鳴る予感のような音を発生させ、期待があって閉まることを考えました。
それでは、これら4つの音の動画になります。
ご視聴ください。

“Noise Design” – Wild noise based Sound Design for concept vehicle – INDY 2000GV